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01月29日(月)

西郷どん感想 第四回  「新しき藩主」 あらすじと感想

あらすじ

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お由羅騒動、勃発
==========================
島津斉彬は、かたくなに藩主の座を譲ろうとしない
父斉興を追い込むため、
密貿易や琉球出兵の虚偽など
薩摩藩の裏事情を江戸幕府側へ知らせてしまう。

しかしこれによって、家老調所広郷は
すべて自分の責任にするべく服毒自殺してしまう。

さらに斉興の愛妾のお由羅が、
斉彬の子供に呪詛をかけたという噂も飛び交い、
これらを聞くにつけ、斉興の怒りは爆発。
斉彬推しの藩士に対して徹底的な弾圧を開始する(お由良騒動)。

そして西郷吉之助らが師と仰いでいる赤山靱負に切腹の命が出る。
愕然とする西郷一家。

吉之助は大久保正助らとともに
斉彬の異母兄弟にあたる島津久光に
切腹の取り消しを必死に乞う。

しかし久光は
「おいになにができる?」
「おいに言うな!」
と言い切り立ち去ってしまう。

なすすべのない吉之助たちだった。


赤山邸に吉之助ら門弟が集められる。
赤山が飲み語ろうと言う。
最初は固かった一同だが、徐々にほぐれ、
酒を酌み交わし思い出話を語るのだった。


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赤山師匠、ついに切腹
================================
そして吉之助の父西郷吉兵衛の介錯で赤山は切腹して果てた。
赤山が切腹の際に身に着けていた肌着を吉兵衛から手渡された。
吉兵衛にとって大きな衝だった。
怒りで暴走しそうになる吉之助を父の吉兵衛が必死に抑える。

しかし粛清はこれだけではなかった。
大久保正助の父次右衛門は喜界島へ遠島、
さらに大久保正助自身も城勤めを解かれ謹慎処分となった。


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斉彬、決死のロシアンルーレット
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こうした惨状に吉之助は
斉彬へ赤山の血染めの肌着と
檄文と言える手紙を送る。

「なにをためらっているのですか?
おいは逃げもはん。
斉彬様も立ち向かってたもんせ。」

決意を固める斉彬だった。

斉彬は斉興と対峙し、激しい口論の後、
拳銃を取り出し、
いわゆるロシアンルーレットを強行する。

まず斉彬が自身の頭に拳銃を当て、引き金を引く。
空砲。
次は斉興の番だが、銃を握る勇気もない。
斉興はついに隠居を決める。
ようやく斉彬は藩主となった。
斉彬、既に43歳になっていた。


斉彬、藩主となる。
この知らせを受けた吉之助らは喜びを爆発させ、
皆で赤山の墓前に報告に行った。
新しい時代が来る、期待に満ち足りた吉之助だった。


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感想


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役人時代最大の事件
お由羅騒動
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吉之助(西郷隆盛)は10年もの間、
郡方書役助なる役人の下っ端業に従事していました。

仕事は農村民や年貢の管理の補佐といったところです。

この役人時代約10年で最大の事件が今回のお由良騒動です。
ですので、非常に注目して視聴しました。

お由良騒動とは、要は薩摩藩のお家騒動ですが、
藩主の妾の名が騒動の名として歴史に残るのは珍しいことで、
異様にすら思えます。

このお由羅さん、西郷ら斉彬派から凄まじく嫌われています。
ドラマでは温厚な吉之助さんですら、
「あの女をたたき切る!」
とまで言ってます。

しかし西郷どんストーリーを追う限り、
お由羅さんは呪詛をおこなった疑いがあるくらいで、
赤山切腹とは直接関係ない。
あそこまでの怒りは変に見えます。


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吉之助が怒るべきは斉彬では?
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怒るなら藩主の斉興に対してでは?
更に踏み込めば、
斉彬に対して怒るべきでしょう。


経緯を整理すると、

==========
・斉彬が斉興を失墜させるため、
 薩摩の密貿易など幕府へ暴露

・斉興に罪が及ばないよう
 側近の調所が自殺

・調所が自殺、さらに
 お由羅による呪詛噂もあり
 斉興の怒りが爆発

・斉彬派の弾圧、赤山切腹
==========

ですね。

斉彬の謀略で、
大事な側近が自分のため自殺したのです。
そりゃ、怒ります。
明らかに斉彬の作戦ミスです。

なので吉之助さんは、
「斉彬めぇ~、
下手なことすっから
赤山先生が切腹する羽目に!」
くらいが妥当だと思います。


===================================
心優しき久光
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史実では西郷隆盛にとって
お由羅の息子・島津久光は
犬猿の仲以外何物でもありません。

歴史本では久光は、
お由良騒動で暗躍した人物とも書かれます。

本によっては、お由良騒動を通じ
斉彬を亡き者にしようとしたとまで書かれいます。

さらに後の斉彬急死も久光による毒殺とする説もあり、
それ故に西郷は徹底して久光を嫌うと言われています。

ですが今回の大河では悪人には見えません。
オロオロするばかりで
明らかに小心者に描かれています。

今回も無力な自分を自ら罵り、
さらに母のお由羅を心配する優しい息子として描かれています。

小心者でいい奴な久光、
後にどんな意味が出てくるのでしょう?
意図が気になります。


===========================
緊張感漲る赤山の切腹
===========================

吉之助らと別れの宴を開いた後、
赤山はついに切腹します。
介錯は吉之助の父吉兵衛です。

切腹や処刑シーンは、残酷なシーンということで
よく省略されがちです。
ですが今回の赤山切腹は重要シーンとして、
しっかりやりぬいています。

ストーリー上、はずしてはならないとの判断だったと思います。
西郷隆盛の人生の中でも特に重大な出来事だったので、
カットしないでよかったと思います。

緊張感の漲る演出もよかったです。


==================================
ロシアンルーレットは賛否両論
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父斉興と最終対決に挑む斉彬。
ここでなんと拳銃を使ったロシアンルーレットを強行します。
もちろん史実では全然ありません。

史実では江戸幕府から隠居勧告を迫られ、
渋々従ったと伝えられています。

つまり、もう完全にドラマならばではの演出。
どれだけ楽しめるかは、もう視聴者次第。

で、実際のところ、
ロシアンルーレット対決は
全体ざっくりなら好評なようです。
でも個々で見ると賛否両論です。

肯定派は、
渡辺謙ら実力派の演技力もあって、
ロシアンルーレット展開を楽しめた。

否定派は、
ロシアンルーレット展開にやりすぎ感を持ち、引いてしまった。

自分は否定派ですね。
なんでこんな状況で
この時代にロシアンルーレットなん?
と違和感ばかりが先行してしまいました。

とは言え、ロシアンルーレット展開を楽しまれた方も大勢いたので、
自分ももっと割り切ってドラマとして楽しもう!

因みに史実では、
お家騒動を見かねた幕府側の働きかけで
斉興は隠居します。

大河では、幕府の引退勧告を軽く無視してます。
でも幕府の意向をガン無視って
やっぱありえないですよね。



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01月23日(火)

西郷どん あらすじ 感想と個人的解説 第三話 「 子供は国の宝」

あらすじ

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お金のない西郷家
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狩に出かけた吉之助と従者の熊吉は、見事イノノシを仕留め、意気揚々と家に戻る。
家では祖父の咳がひどく、三男の信吾も腹痛で寝込んでいた。
しかし11人の大家族である西郷家では、父吉兵衛と吉之助の給与では到底足りず、医者に診てもらう金がない。

金をどう工面するかで吉兵衛と吉之助は親子喧嘩する始末。
結局、赤山靱負の紹介で豪商板垣の屋敷を訪ね、借金を申し出る。
最初は渋っていた板垣だが、吉之助の誠実な態度に心を打たれ、どうにか貸付を了解してくれた。


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少年半次郎の登場
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とりあえず一安心する吉之助たちだった。
そんな折、畑の中で芋泥棒と大人たちに折檻されている少年に出くわす。
見かねて吉之助が止めに入る。
「子供は国の宝でごわす。そげん殴ってはいかんど」

大人たちが油断したすきを見て、
少年は木刀で大人らを打ち倒して逃げてしまう。
あまりに貧相な格好であったが少年は半次郎という武士の子で、
父が島流しに遭い畑を取り上げられたため
今は物乞いのような生活に成り果てたという。
少年半次郎の見事な太刀筋に感心してしまう吉之助だった。

吉之助は、たまたま早朝に半次郎ら家族とは再会する。
しかしその格好は、明らかに脱藩もしくは逃散(夜逃げ)であった。
これは重罪だ。
見逃してくれるよう必死に懇願される。
そんな彼らにとにかく戻るように促し米を分け与える。

こんな惨状を目のあたりにして
吉之助と正助(大久保)は赤山に切実に訴える。
赤山は、もうすぐあのお方が藩主になり、薩摩は変わると言う。

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島津斉彬、動く
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一方、江戸城では島津斉彬が動き出す。
薩摩の裏事情である
異国との密貿易や琉球出兵での虚偽を
江戸幕府老中阿部正弘に洗いざらい話してしまう。
斉彬を推す阿部は
「貴殿が立ち上がるのを待っておった。」
と斉彬に言う。

斉彬の子寛之助が幼くして急死してしまう。
泣き崩れる母親の喜久。
これで斉彬は三人の子を亡くしている。
誰もがこの事態を不審に思っている。
そんな中、屋敷のすみから呪詛に使ったとみられる紙人形が見つかる。
密やかにお由羅による呪詛説が薩摩藩士の中で急騰する。

老中阿部は調所広郷を呼びつけ、
密貿易や琉球出兵の虚偽について問いただす。
調所は責任が藩主の斉興に及ばなくするため、
すべて自分がやったことと主張し、その夜に服毒自殺してしまう。

この知らせを受けた斉興は、
お由羅呪詛説が飛び交っていることも耳にしており、怒りが爆発する。
斉彬派への弾圧を次々と実行するのであった。
世に言うお家騒動「お由羅騒動」がはじまった。


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感想と個人的解説

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中村半次郎登場!
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今回は「人斬り半次郎」という呼び名で有名な桐野利秋(中村半次郎)が登場します。
後に西郷の側近として最後までつき従う半次郎ですが、
少年時代は貧困にあえいでいたことが知られています。
その辺りを元に今回のストーリーが作られたと思います。

ちなみに半次郎は剣の達人でしたが、知られている暗殺は1回のみで、
「人斬り半次郎」は後世の創作だった可能性が高いとされています。


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前回とほとんど同じ話?
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実の所、第二回「立派なお侍」と今回の第三回目はよく似た話です。
貧困で苦しんでいる庶民と、そんな彼らを目の当たりにして
いても立ってもいられなくなる吉之助(若き西郷隆盛)を描写しています。
サイドストーリーは島津斉彬と父の確執を描いている点も同じです。

貧困の代表者として農家の娘のふきと下士の息子の半次郎が登場しますが、
子供らを中心に据えているのはアピール性が高いということでしょう。
ストーリー二回も割いて困窮する民草を描いている点は、制作側の強い意図を感じます。
そして弱者を見過ごせない吉之助のキャラも強調しています。
弱き者を見捨てられない好青年。


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強調しすぎもよくない
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一般に歴史ドラマでは、主人公の人柄を持ち上げることがしばしばあります。
主人公なのだから、持ち上げることは普通でしょうが、
大河ドラマは時折盛りすぎてしまい、
結果、素晴らしい人柄となりすぎて
何か人間らしいデコボコとした個性が消えがちです。
西郷どんらしいズッコケややんちゃな部分も描写してほしいと願います。
そうした人間味のあるダメな部分も描いた西郷どんを期待しています。


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ふきの人生はいかに?
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ふきと半次郎は、ともに困窮する庶民の代表として描かれていますが、大きく違う点があります。
ふきは恐らく架空の人物ですが、半次郎は最後まで西郷につき従う実在の重要人物です。
そのため半次郎の描き方は、史実があるのでそう変わらないと思います。
しかしふきは制作側の思いや都合でどうなるか分かりません。
場合によってはフェードアウトするかもしれませんが、
存在している間は制作側のなんらかの意図があるはずなので、
ふきの言動に注目して、制作側の意図を推測してみるのも一興かと思います。

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主人公にしたい人・調所広郷
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今回で退場となってしまった薩摩藩重臣の調所広郷ですが、
大河「西郷どん」での役割は敵方の側近といったとこでした。

しかしこの方が断行した財政改革手腕は凄まじかった。
藩の赤字500万両(今の2500億円くらい)を超強引だが一気に整理し、
さらに特産品の黒砂糖やウコンを一元管理や課税をかける等、
財政改革を断行し、結果藩の財政は一気に好転した。

西郷さんが主役のためですが、敵ボスの側近役に終始してますが、
この調所広郷さんを主役にしたドラマやドキュメンタリーがあったら
きっとすごく面白いと思います。
地味で注目度では苦しいですが、どうやってあの末期状態の薩摩藩を立て直したか?
ビジネスマンや経営者の方々には受けるでしょう。
タイトルは
「誰にもできない神業級の財政改革!調所広郷の手腕の解明」
など。


 
01月16日(火)

西郷どん感想 第二話 「 立派なお侍」

ざっくりあらすじ

「立派な侍」

一回目が少年時代だったので、
今回が実質的なスタートと言ってよいでしょう。

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役人となった吉之助
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前回の少年時代から、大体6年くらい経過(17,18歳)し、すでに就職しています。
仕事は郡方書役助(こおりかたかきやくすけ)という仕事です。
内容は、農村部の監督や年貢徴収作業の補佐。
つまり農村系役人の下っ端です。


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貧困に苦しむ農民とふき
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この年は天候不順による凶作で、定められた年貢を納めきれず農民も吉之助(西郷)も困り果てます。
吉之助は上役の井之上が、農民らからこっそり賄賂を受け取るのを見てしまいます。

ここで今回のヒロインとなる農家の娘ふきが登場します。
ふきの家は特に貧しく借金取りの男らに借金のカタとして連れ去られそうになります。
見ていられなくなった吉之助は、自らの手当てと井之上が受け取った賄賂を差し出して、その場を納めます。
何とか借金取りに連れさらわれずに済んだふきですが、問題は解決していません。

帰宅した吉之助ですが、家には腹を空かせた兄弟家族がいるというのに有り金をすべて人助けに使ってしまいました。
それを聞いた父の吉兵衛から大目玉を喰らいます。


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斉興・調所 VS 斉彬
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場面は島津藩主斉興と嫡男斉彬の会談シーン。
斉彬から西洋砲術の演習を願い出るが、斉興の側近である家老調所広郷に反対されてしまう。
金が掛かりすぎると言うのだ。

実は薩摩藩は、先々代藩主の蘭癖(西洋かぶれ)による浪費が原因で、財政が大きく傾き、
借金が500万両(現在の2500億円程度)となり、藩は倒壊寸前であった。
この危機的状況を調所広郷の神業級の手腕で何とか財政回復に導いたのだった。
そんな黒歴史もあるだけに斉興は英明と称されながら蘭癖気味の斉彬に強い警戒心を抱くのであった。
斉彬も忍び寄る異国の脅威を感じているだけに理解を得れないことに苛立ちを隠せなかった。


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吉之助 VS 調所
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年貢納めが始まり吉之助はこれに同行する。
しかし凶作でも定免法(年貢の定額払い)、更にこぼれた米を役人がかすめ取るやり方(またぐら米)を見かねて、
吉之助は調所広郷に直訴を強行する。
しばらくは鼻であしらっていた調所だが、必死に訴える吉之助に押され検見取(収穫に応じた年貢)を認めるのであった。
しかし出て行く吉之助を見ながら調所は「うまくいくはずなか」と呟く。

翌日吉之助が坪刈り(一坪だけ稲を刈り収穫量を調べる)をおこなうと、隠し田を見つけてしまう。
隠し田まで検見取によって年貢対象となると、定免法以上の年貢の負担となってしまう。
百姓から検見取をやめてほしいと土下座され、困惑する吉之助だった。


=================
ふきを救えない
=================
悩む吉之助は師匠格の赤山靱負に相談する。
赤山は明朝に江戸に向けて鹿児島を発つ前に島津斉彬に意見書を渡すことを勧める。
そこで吉之助は徹夜して意見書を書き上げ、斉彬に渡しに向かう。
しかし糸からあの農家の娘ふきが借金取りに連れて行かれると聞く。
吉之助はふきを救うべく意見書を渡せないまま、ふきの元へ向かい何とか助け出そうとする。
しかし既に覚悟を決めたふきから諭されてしまう。
ふきを見送りながら、悔し涙が溢れる吉之助だった。


――――――

感想

=====================
主要人物が総登場
=====================
西郷一家12名を始め、
のちに精忠組となる同世代の仲間たち、
後に西郷の正妻となる糸、
藩主と息子らなど
重要人物が多数登場するので、全員は覚えきれません。

ですが、どなたも今回のストーリーでは、さほど重要ではありません。
キーとなるのは百姓の娘ふきです。
ふきは架空の人物(もしくは大幅に脚色した)のようですが、
今回の貧困にあえぐ百姓の象徴的な存在となっています。


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テーマは農民
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凶作、賄賂、またぐら米、年貢の定免法など当時実際に行われていた時事を交え、
百姓が初めて白米を食べるなど、農民の困窮ぶりをリアルに描いています。


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吉之助、迫真の演技がいい!
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今回、最も目を引いたのは、農民のため必死に奔走する吉之助の姿です。
鼻であしらおうとする調所に必死に食い下がり、
借金取りに取れて行かれるふきを助け出そうとし、
そして無力な自分に涙を流す姿。
どの姿からも吉之助の切実な感情が噴き出しています。
これらの姿は写実性とか精緻さといったものを超えた迫力があり、
見ている者の心を強く揺さぶります。

時折、人気があるから的な理由で大河の主役や重要人物にキャストされることがあります。
でも演技力が伴っておらず、あれ?ということもありました。
今回はむしろ主役の演技も楽しみの一つとなりそうです。
できれば渡辺謙さんの演技も長く堪能したいのですが・・・斉彬は短命です(泣)。


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ふきはどうなるのか?
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心配なのはふきの存在。
ふきは、江戸で西郷らと再会を果たすことになっています。
大河ドラマにおいてこうしたオリジナルキャラ(もしくは大幅脚色)が出てきますが、
うまく行かないことが多いように思えます。
いつの間にかフェードアウトしたり、
最後まで浮いていたりと
うまくはまらないことが多いです。

ふきさんもレギュラーとなるなら、
うまく西郷どんに溶け込んで欲しいものです。



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迫田利済が出ない!
=======================
迫田利済は西郷が郡方書役助の職に着いた時の上司に当たる実在の人物です。
迫田はきわめて正義感が強い農民思いの好人物です。
西郷も迫田から多大な影響を受けており、西郷が生涯民草思いであったのは、
この迫田の影響とも言われています。
ですがまったく出てこず、代わりに井之上なる憎まれ役の役人が登場します。
これ如何に?

大河と言えど、予算やらストーリーの都合で、意外な重要人物が
存在しないことになってしまうことが、しばしばあります。
迫田利済もそうした悲劇の人物なのかもしれません。

そして今回の吉之助が農民のため奔走する姿は、
もしかすると迫田利済がモデルなのかとも思いました。

ちなみに 迫田利済は、凶作の年に年貢を下げるように掛け合い却下されてしまい、
以下の怒りの歌を詠んで辞職してしまいます。

「虫よ、虫よ、五ふし草の根を絶つな、絶てば己も共に枯れなん」
虫は役人、五ふし草は農民を意味します。

なんだかいい所を西郷に奪われた格好ですが、
弱き者のため尽力してこそ、こうした心意気は西郷を通して伝えられたので、よしとしますか。


あと調所広郷。
本当は凄い人なのに嫌味な家老として描かれていたのは、少々不満。
主人公の敵役のため仕方ないかな。




 
01月15日(月)

西郷どん感想 第一話 「薩摩のやっせんぼ」

ざっくりあらすじ

・小吉(西郷隆盛)の少年時代を描く。

・当時の薩摩では郷中教育(子供会の強力版)がおこなわれていた。

・近所の少年らが西郷家に集まり、小吉は年少の子供らに
「島津日新いろは歌」を教えたり、相撲を取ったりと面倒を見る。

・そんな中、小吉らは話でしか知らない「お菓子」ほしさに藩主の御殿に忍び込むこと決める。

・結局、番卒に見つかってしまい慌てて逃げ出すが、ここで突然爆音と黒煙が立ち上る。

・それは次期藩主となる島津斉彬(しまづなりあきら)が大砲の実験をおこなっていたためだった。
しかし煙でまっ黒な顔をした斉彬は小吉らにとって天狗に見えた。

小吉は怯えながらも斉彬にくってかかる。
しかし斉彬に叱られる。
「お前は一番小さい仲間を見捨てて逃げた。
弱い者の身になれんやつは、弱い者以下のクズだ。
薩摩じゃ、そういうやつのことを、ぱっせんぼと言うんだろ。」
返す言葉のない小吉だった。
そして斉彬から天狗の口止め料としてカステラを受け取った。

・妙円寺詣りなる行事がある。
男は鎧姿で寺まで走り、どの郷中が一番につくか競うことになっている。

・少女の糸は鎧姿をして男子のふりをして、こっそり下加治屋町の郷中に入り込んでしまう。
みな、糸を男子だと思い込む。
その糸のお陰で下加治屋町は一番乗りを果たす。

・しかし尾田栄作ら平之郷中の仲間が、糸が女だと気づき、
「おなごが紛れ込んでいる!」
と叫ぶ。
糸は女であることがばれてしまう。

・糸は
「なして女子は郷中に入れないとかですか。わたしも学問や剣術や相撲がしたい。」
と言い去ってしまう。

・小吉は斉彬から言われた言葉
「弱い者の身になれんやつは、弱い者以下のクズだ。」
を思い出し、女装して城下を歩いてみる。
そうすると道の端を歩けなどと言われたり散々で、女性への不当さを実感する。

・ある日、小吉は妙円寺詣りを巡って平野郷中の尾田栄作に絡まれ、
小競り合いの末、肩(肘とも)に深い傷を負ってしまう。

・傷は深く、小吉は刀をまともに持つことができなくなった。

・竹林で泣き崩れる小吉だったが、そこで斉彬と再会し激励されるのであった。
「いずれ刀だけの世は終わる。
…これからはか弱き者の声を聞き、
民のために尽くせる者そこが、真の侍となる。
お前はそういう侍になればよい。」

決意を新たにする小吉であった。




感想

今回は初回ということで、少年時代のストーリーにあたります。


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少年時代の西郷どん
====================
少年時代の西郷隆盛(小吉)を演じた渡邉蒼くんですが、
演技が上手で、安心して観ていられました。
それ以上に渡邉蒼くんからは年齢(13歳)らしい清新なオーラが漂っていて、
演技力も相まって、特に母親くらいの年の女性たちから人気が出るかと思います。
2004年生まれで現在中学生、演技以外にも歌もたいへん上手とのことです。

===================
大御所 島津斉彬
===================
主役の渡邉蒼くんの演技もよかったのですが、、
やはり渡辺謙さん演じる島津斉彬、これはもう重厚な演技力は言うまでもありません。
小吉を叱りとばすだけで熟成された男の魅力を強烈に放っています。

結果、
少年らしい清新さ溢れる渡邉蒼くん、
貫禄ある男の魅力を放つ渡辺謙さん、
二人が対峙するシーンは、それぞれ対照的な魅力がぶつかり混じり、
本ストーリーの大きな魅力となっています。


メインヒロイン設定の渡邉このみちゃん演じる岩山糸、
憎たらしさ満々の島津斉興、
もっと嫌な奴かと思いきやそうでもなくオドオドな島津久光、
真面目で思慮深い大久保正助(これも少し意外)、
貧乏ながら温かみのある両親、
など、総じて役者や演技については高評価しています。

気になったのは、尾田栄作なる上級藩士の倅。
ナンクセつけた上、西郷どんの肩を切った少年です。
今回、もっとも憎らしい人物として見事にインパクトを残していきました。
この尾田栄作はほとんど知られていない人物(架空の人物?)だけに
次回以降にも出番はあるのか気になります。


==============================
ストーリーは疑問な点もチラホラ
==============================

--------------------------------------
島津斉彬と偶然に3回も出会うし会話もする
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少年時代に君主と出会っているパターン、ありがちです。
こうしたドラマでは定番とも言えます。
でも3回も偶然会って、ものすごい身分の差もあるのにがっつり喋るというのは・・・不自然です。
一たびツッコミ心が芽生えると、もう抑えるのは難しいです。

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メインヒロイン・岩山糸
---------------------
少年時代から正妻となる岩山糸と出会い、さまざまな出来事が起こる。
これも大河ドラマのみならず時代物ドラマではよくあります。
やはり色恋を盛っていかないと、彩りが寂しくなるようです。
なので割り切っています。
しかし糸が男のふりして郷中に混じってしまうのは・・・どうなんだろう。
そもそもすぐおなごだってバレるはずです。
それに糸の行動自体もさすがに奇抜すぎます。

---------------
女装西郷どん
---------------
糸から「女子になった事のない おはんには わからん」と言われたからって、
いきなり女装して外を歩き回るのはおかしいでしょう。
当時の女性の大変さを訴えたかったのか、
あるいは単に女装させてみたかった(それはない)のか、
いずれにしろこの突飛すぎる行動は、おかしいとしか言いようがありません。


総じて
演技面では上々、
ストーリーは疑問あり、です。

ですが今回は少年時代ということで、
次回から本当のスタートだと思ています。

是非、素晴らしい作品になるように祈っています。